■ 60話に入れようとして入らなかった『いわく』
■ 武器物語(メルヴィッドの杖ver.)
■ 菩提樹+ユニコーンの色々な部位 33cm
■ 中二病を全面に押し出した話
■ とてつもないDOD臭
蠢く墓標
報われない恋だと口々に告げる仲間からの制止も聞かず、ユニコーンは毎日のように寡婦の元へ通い、彼女の悲しみを和らげようと必死に努力した。
その純粋な努力が実り彼女にようやく笑顔が戻った頃、ユニコーンの体毛が金色から銀色への変化を始めていた。
日に日に彼女への恋が失われて行く事を自覚し、それを嘆き悲しんだユニコーンは、せめてこの恋が全て消えてしまう前にと崖に身を投じ自ら命を断ってしまう。
その死を知った彼女は、最早幼いとは言い難い姿のユニコーンを見て何も彼もを理解すると、ならばせめてと遺体を売り払おうとする村人達を説得し、金糸の混じる銀の骸を地中に埋め、墓標として菩提樹の枝を挿した。
やがてその菩提樹は逞しく成長し、彼女もまた、恋に生きたユニコーンの話を聞かせた子や孫達に囲まれながら天寿をまっとうした。
そして、伐り倒された菩提樹と、暴かれたユニコーンの死体の、金にならない残骸から作られたのが、この杖である。