曖昧トルマリン

graytourmaline

ブライディー

 ドラム缶を改造したのではないかと疑いたくなるくらいに巨大なバーベキューグリルを複数台出現させたガスパード・シングルトンは、その内の1つを覗き込み、明らかに昨日から仕込んでいたであろう肉の様子を眺めながら隣でダッチオーブンを火にかけ始めた。
 広く、分厚く、逞しい筋肉がTシャツの布地をはち切れんばかりに押し上げる後ろ姿はアメリカが生んだ良き理想の父親像を想起させる風体だが、彼の国籍はイギリス人でフランス育ちだと脳が冷静に訂正を行う。
 隣の巨体にテキーラを瓶ごと勧めているマリウス・ブラックも老人とは思えない肉体美をそれとなくアピールしつつ、牡蠣とは名ばかりの牛肉をご機嫌な様子で焼き始め、更にサングィニが2人と比較すると余りにも頼りない体格を晒しながら別のグリルで黙々と串焼きに励み、その間をクリーチャーが忙しなく行き来していた。
 煙と共に湧き上がるスパイスの香りを浴びに行き、網の前で運動したいと本能が訴えるも、隣で微笑んでいるオルフォード・クラックネルを放置する訳にも行かず、しかも遠くの方ではファブスター大佐が籐製のデッキチェアに腰を掛けたまま手招きしているので逃亡という選択肢は潰されている。懐かしそうな表情を滲ませた隣の彼の様子を見るに、私が仲介する必要もなく、最初から彼等は顔見知りらしい。
 小蕪をくり抜いた蟹肉とイクラの中華風の茶碗蒸し、牛タンのミジョテに豚肉のカラプルクラのような柔らかい料理を数点取り、グレムリン並に甘味を相手取っている男性と共に誘われるがまま行ってみると、私が口を開く前に親しげな挨拶を交わす。このままテーブルに料理だけを置きそれとなく気配を消しつつグリル組に混ざりに行ってもいいだろうかと考える間もなく椅子が倍の量に増設され、ごく自然な流れでアルコール臭のする発泡性の飲み物をアークタルス・ブラックから手渡された。
 この状態で尚、逃げ切れる自信などある訳がない。
「こうして会うのは初めてだね、オルフォード。鏡像背後霊の件はあれ以降、再発した形跡はないようだが」
「お陰様で被害も落ち着いて、皆も快方に向かっています。全く、世の中には色々な人間が居ると実感しますよ。それにしても……ファブスター、辛党振りは変わらないな」
「君の甘党程ではないよ、ダニエル。アイスティーはどうかな」
「ありがとう」
「シュガーシロップは?」
「いつもと同じくらい」
 手近にあったからなのか、会話しながら私の頭を撫でたオルフォード・クラックネルは、髪の毛先を遊びながらしばらく沈黙した後で、成程とでも言いたげな、それでいて他人を見下すような笑顔を浮かべた。
 私が判別出来る程の変化だったが、ファブスター大佐もアークタルス・ブラックも気に留めた様子はない。
「彼等の被害に関して、魔法界での進展はないようですね」
「それが出来るのならば、ブラック家は介入を捨て唯の純血一族に戻れるのだがね。魔法不適正使用取締局がイレブンを正しく役立てる日を待つよりも、イレブンそのものが学習機能を創出し意志を獲得する日を期待する方がまだ希望を持てる」
「全く、仰る通りです」
 表情は笑顔のままだが目に虚無を帯びたオルフォード・クラックネルに、ファブスター大佐の薄い青色をした瞳が同情じみた視線を送る。
 彼の今の言い分と、ホテルで言明したファブスター大佐の立場から推測すると、彼等は共に魔法使いに不当に扱われたが、魔法省も魔法界そのものも魔法力を持たない彼等と取り合わなかった結果、恨みを抱くようになったのだろう。
 話の流れからすると、イレブンとは以前メルヴィッド達に説明した法執行部が作り上げたインカンタート系欠陥システムに違いない。その欠陥システムに犯罪行為に使用された魔法が捕捉されていたにも関わらず、スクイブの訴えなど耳を貸すに値しないと魔法省一無能な法執行部は動かなかった。こんな所だろうと予想したが、別に全く見当違いでも困るような事はないので構いはしない。
 年相応に衰え始めた指先に顎や眉間を撫でられ、目を細めながらサングラス越しに手の持ち主を観察してみるも、ロザリンド・バングズのように何かしらの特徴は掴めなかった。唯のNGOの代表でスクイブというだけの男をブラック家が態々招待するとは思えないので何かしらの役目を担っているに違いないのだが、それが何なのかは糸口すら掴めない。
 私を外した大人達の社交辞令を含んだ短い挨拶も終わったので子供の顔で話を切り出そうとする前に、その当人であるオルフォード・クラックネルから僕の真の正体は判ったかなと悪戯っぽい笑みを向けられてしまった。観察方法があからさま過ぎたのだろう、此処で惚ける必要はない。
「体を鍛える事が趣味の」
「うん」
「……ちょっと人の良さそうな、普通の方にしか思えませんでした」
「ははっ、そうだね、ありがとう。ガマガエル似の一般人Aに見えるよう振る舞っている側からしたら、君の評価は嬉しいものだよ」
 あんこ型の立派なお腹を擦り、相撲取りや関取、力士と呼ぶよりは、親しみを込めてお相撲さんか熊さんと呼びたくなるような愛嬌のある笑顔を浮かべたオルフォード・クラックネルは、やや子供っぽい表情のまま、でも1つだけ訂正と付け加えた。
「僕の趣味は筋トレじゃなくオペラ鑑賞、好きな演出家はハーバート・ビーリー。体を鍛えているのは、前職からの慣習かな」
「前職ですか」
 まさかファブスター大佐と同じく軍人かと視線を合わせると、否定の意味を込めた様子で首を振られる。退役軍人とはいえこの場には既に3名の士官が居るのだから期待してしまったが、違うようだ。
「期待に添えなくて悪いね。でもこう見えて一応、10年前まではボビーだったんだよ」
 ボビー、つまり警察官と聞いた瞬間、意識せずに自分の表情が明るくなる事を自覚した。
 軍人、警察官、消防士、航空機操縦士、この辺りは国や時代は問うものの男の子の憧れの対象になる職業である。私は男の子と呼ばれるには大分爺なので、憧れというよりも尊敬の割合が多いのだが、好意に変わりはない。
 ダーズリー一家から現在に至るまで幾度となく関わる事になった警察という公的機関は、私にとって信用に値する組織となっていた。勿論、殺人犯を英雄と呼び慕う私を許せない信じられないと感じる正義の警察官も複数居たものの、一線を越え直接接触して断罪するような行為にまでは及んでいない。
 何時だって見目だけは幼気な子供のすぐ隣に立ち、慰め、勇気付けてくれていたのは、弱者を放ってはおけない、優しい警察官ばかりだった。そう告げれば、元であろうとも同僚達が慕われている事が嬉しいのか青い瞳に誇り高い者を知る、嬉しそうな色が差す。
「尤も、今は警察にバレたら追われる立場だけどね」
 その色のまま続けられた言葉に、ウェット・ワーカーでもやっているのかと牛の舌の繊維を飲み込んで軽く返すと、黒いお家所属の赤い塗装工でグルメの掃除夫はあっちとグリル組の中に埋没しつつある細くて長い男性を指し示した。
 成程、吸血鬼ならば人間の処理が格段に楽になる。少なくとも死体を最も効果的に消失させる人肉食に抵抗はないだろうし、殺人にだって吸血鬼専用の抜け穴があった。
 吸血鬼の人権が魔法使いと同等に保証されている国、例えばイギリス国内であろうと吸血鬼狩りを成功させた魔法使いが今でも英雄扱いされているくらいには、彼等は忌み嫌われている。本来ならば人殺しと何ら変わりないはずなのに吸血鬼退治は素晴らしい行為と称えられ、吸血鬼などという化け物は人間様に殺されて当然と考える人道主義者は少なくない。
 しかし、一応イギリスという国、というか魔法省は吸血鬼狩りと殺人は何ら変わりないと表明する立場にある。国内でヴァンパイアハントをすれば、正当防衛でもない限りは殺人行為としてアズカバン送りにしなければならない。
 まあ、つまり、イギリスでは、吸血鬼への迫害は人権に反する行為なのだ。
 逆に、サングィニの出身国であるトランシルバニアでは、吸血鬼の人権が公的に認められていない。
 トランシルバニア国内で吸血鬼達は、ジビエの為に殺される野生動物や、環境破壊をする害獣と何ら変わりない。そして、そんな野生動物や害獣に人間が殺されたとしても精々、運が悪かったで処理される。熊と鰐と吸血鬼は人間として権利が保証されていない意味で同じ存在だから、殺しても殺されても罪にはあたらない。非常に単純な抜け穴である。
 自由と平和を布教する愛の人権伝道師達からしてみれば憤死ものの盲点だが、そんな彼等にしても非魔法界で犯罪を犯した魔法使いや魔女が魔法界でのみ裁かれている現状に疑問を抱いていないので、傍から見ると立派な二重基準だった。結局の所、上っ面は善人振りたいが本心は自分達の利益を貪りたい姿を社会に隠し通せている、と思い込んでいる連中以外からは、特に異論は出ていない状況は、私の時代でも変わりない。
 吸血鬼達は正規の書類さえ提出すれば他国への移住を認められているので、サングィニのように人権が欲しい側にしても特に困ってはいない。人権が認められない国に留まっている吸血鬼にしても、余程の事が起きない限り人間は襲わない。彼等には理性と、何よりも誇りがある。
 そもそも彼等が人間を襲わざるを得なかったのは、生きる為に人間の血が必要だったからに過ぎない。全血の輸血用血液製剤という名の、健康な人間から同意の上で抜かれた生気溢れる新鮮な血液が医療機関を偽装した魔法界の機関から配布されている現在、余程の事がない限り人間と吸血鬼との間で戦争じみた行為は起こらなかった。倉廩実つれば則ち礼節を知り、衣食足れば則ち栄辱を知るとは、何も人間のみに適用される言葉ではない。
 どこまでも本題から逸れて行く私の脳内を知ってか知らずか、もっちりとした食感の腹持ちがいいピカロネスに舌鼓を打ったオルフォード・クラックネルが、現職は血腥さとは正反対の清潔なクリーニング店だとごく自然な口調で告げて来た。話の流れからして、それは前職のご厄介にもなるだろうとしか返せない。
「アークタルス様からいただいた資料にはフロント企業に似た動きをする会社はなかったはずですが、NGOとの関係までは流石に」
「個人で僕まで辿り着くにはデータが膨大過ぎて無理があるね。ペーパーカンパニーやカジノのような立派な容れ物ではないから注意して観察しないと判らない。商取引がなくてもお金は動かせるからね、両世界から歯牙にも掛けられないスクイブの立場を利用して、寄付された札束と金貨を必要な分だけ綺麗にする簡単なお仕事だよ」
 脳が鈍い私が仕掛けたような行為は誰だってやっている、それは当然の事だろう。両世界の境界線で資金洗浄を行っていると告白するオルフォード・クラックネルに親近感を覚え、手渡された2枚の名刺に目を通した。
 国際青年環境資料センターロンドン支部代表、魔法使い遺児保護機構専務理事、前者は全くの初耳だが、後者はブラック家経由で知った活動実績のある団体である。尤も、この団体に保護された魔法使いや魔女の卵達は皆、余程の理由がない限りホグワーツ以外の学校への入学を推奨されており非魔法界で生活基盤を整える事になるので、魔法界ではほとんど評判にならない。または、噂に上がったとしてもホグワーツ卒業生によって広められた根も葉もない悪質な評判だった。
 否、根も葉もない訳ではないか。事実、この団体はブラック家の諜報員育成機関という側面も持ち合わせており、オルフォード・クラックネルの手により資金洗浄の中継場所として利用されているのだから、清廉潔白とは言えない。寧ろ黒だ。
 ファミリーネーム通りの家業も脈々と継承するブラック家を拒絶する私ではないし、メルヴィッドでもないし、エイゼルですらない。それは既に告げている。
 第一、こちらも後ろ暗い事は両手足の指を切り落としても不十分なくらい持ち合わせているのだから、ブラック家ならば2桁上の秘密を持っていたって納得するしかないだろう。
 それよりも、気になる点がある。
「ダニエル」
「何だい」
「ダニエルは、何故私に会いに来てくれたのですか?」
「思った以上にストレートに来たな」
「私は腹芸が苦手なので」
 そして口には出さないが、頭も悪い。
 先に訪れた3人、ファブスター大佐、ロザリンド・バングズ、ジョイス・ロックハートは各々の立場から今後私に関わって来る人物なので招待も理解出来る。ガスパード・シングルトンとサングィニも、別種族に慣れさせる為という理由だと考えれば、判らなくはない。
 しかし彼は、オルフォード・クラックネルは、今後も私と関わり合いがないと思われる立場のスクイブである。両世界に跨る資金洗浄役、そして言及こそしていないがファブスター大佐と同じく魔法界を好意的に思っていないブラック家所属の情報提供者。その程度と表現しえる立場で何故招待客として来る事が出来たのか、他にも何らかの地位に居るのだろうと正面から問い詰めると視線を逸らされ、苦笑いを浮かべられた。
 困っている様子はないので単純に言いたくないのだろうが、此処まで行動に起こしても言いたくないのならば、それでいいだろう。必要な情報は手元に提示されたのだから、後はブラック家に捕まらないよう地道に少しずつ調べればいずれ判る話だ。
 誰も手を付けたがらない皮蛋をスパークリングワインで独り占めして楽しみながらささやかな今後の計画を練り、言いたくない事は言わなくていいと子供の態度で示していると、何本目かのアルコールを空けたファブスター大佐がアークタルス・ブラックに笑い掛けながらダニエルはこういう子なんですと親しい者の表情を浮かべる。
 アークタルス・ブラックも何が言いたいのか理解出来るのか深くゆっくりと頷いてから、灰色の目をこちらに向けた。
「恥ずべき身内は存在を認める事すら苦痛で、自身を納得させるだけでも大変な時間を要する、という事だ」
「その方と私に関係が?」
 クラックネルという余り耳にしないファミリーネームを脳から掘り起こしても一致する事がないので、彼の親戚か、姉妹が関わって来るのだろう。遠縁ながら駄目な方のシリウス・ブラックも大概碌でなしであるから耐性は出来ていると態度で示せば、流石にこれ以上他人に喋らせるのは気が引けるのかオルフォード・クラックネルが重い口を開いた。
「私の姉が、ホグワーツの監査に付くと教えて貰ってね。魔法省の役人なんだ」
「お名前を伺っても宜しいですか」
「アンブリッジ。ドローレス・アンブリッジ」
「新聞で見た名前ですね……ああ、反人狼法の起草者ですか。まだ審議は通過していませんから、成程、今なら廃案に舵を切っても間に合いますね」
 彼女は中々印象に残る容姿をした、立ち回りが下手で賄賂が大好きな判りやすい役人だった。有能な上司の元では絶対に出世しないタイプだったが、幸か不幸か魔法省は無能の集まりなので運良く高官に上り詰めた、フェミニストの皮を被ったミサンドリストが大変好みそうな強く逞しいキャリア階級の女性である。というか、魔法界には割と女性差別型の男性嫌悪主義者が見受けられるが、今は関係ない話だ。
 事の経緯は簡単そうで、コーネリウス・ファッジの罪悪感に漬け込んで彼女をホグワーツへ監査を寄越して欲しいとブラック家が打診し、離席期間中に内紛や差別の助長に繋がる有害な法案を内々に処理しまおうという魂胆だろう。幾ら離れ難い地位に居る彼女でも、現役大臣に気に掛けられ、ブラック家の当主様方お気に入りの、家族揃って認定魔法使いになった子供と3つの餌がぶら下がっていては食い付かない訳には行かない。
「その、話が速過ぎて不安なんだが、いいのか。人身御供のように扱われて」
「逆に贅沢過ぎる身分ですよ。アークタルス様やレジーから気遣っていただいて、エイゼルと一緒に居られて、ローザのPen.G.S.が警護してくださる状態ならば、相手がホグワーツでも魔法省でも不安はありません」
「大佐に聞いた通り、肝が座ってるな。この子は何時もこうなのか」
「いや、状況が差し迫るにつれこうなるんだ、恐ろしいくらいにね。家族と友人を守る為にこの体で単身、半巨人へ立ち向かった子だよ。権力者に媚びへつらうような魔女1人に臆する事はない。尤も、そんなストレスすら与えたくないというのが保護者達やブラック家の本心のようだけれどね」
「そうなんですか。私は気にしませんよ、アークタルス様。寧ろこのような身でお役に立つ事が出来て光栄です」
、それが君の本心だとしても素直には喜べないな。本来ならば、君のような子に負担を掛けないよう魔法界を取り仕切るのが我々の立場だからね」
「知っていますが知りません。アークタルス様が喜べなくても私は嬉しいので」
「……本当に、肝の座った子なんだね。君は」
 ブラック家の前当主に口答えする子供を見て若干引いたオルフォード・クラックネルは、しかしすぐに態度を改めて大人の表情を作った。敵対勢力の情報を可能な限り与える上官ではなく、お使いに向かう5歳時を胃潰瘍になるくらい心配する親の顔だったが。
「もしもあれとの話を打ち切りたければ、親族の話を振るといい。あれは自分を純血の出自だと周囲に偽って吹聴しているらしいから、弟の私がスクイブであった事も、母がマグルであった事も、父が魔法ビル管理部のうだつの上がらない魔法使いだった事にも触れて欲しくないらしい」
 魔法の言葉は、魔法省で清掃係をしていたアンブリッジさんの親戚ですか? との事である。血が繋がっているだけの姉に対する全ての言葉が推測で出来上がっているのは仕方がない、そんなものを極力意識しないようにする生活を、今まで送っていたのだろう。
 静かな姿勢で、それでも抑え切れない不満を全身から噴出させる善良な元警察官に寄り添う為に手を添えると、向かいに座るファブスター大佐が何事かをアークタルス・ブラックに耳打ちした。
 記憶に新しい昨夜の悶着から想像するに、嫉妬をするなと忠告しているのだろう。灰色の瞳が無言で心外だと叫び、訴えていたので間違いない。
「傷付いている人間から寄り添う仔犬を無理矢理取り上げる、そんな人間だと思われていたとは心がふさぐな」
 皺の寄った細い手が柔らかく煮込まれた豚肉をフォークで丁寧に切り崩し、乾燥した口が小さな一切れをゆっくり食べ切った。
 その後に、薄い唇から放たれた明瞭とした声が、青空の元でとある破滅を約束する。
「私にだって人の心くらいはある。傷心した人間の悩みの種を取り除き、仔犬が自ら進んで私の元へ帰って来るよう手段を講じるくらいの、人の心はな」