曖昧トルマリン

graytourmaline

胡瓜と豚肉の四川風

 ともすると通り過ぎてしまいそうな、大層地味な店構えであった。
 サマセット・ハウスから北西へ足を向け、交通量の多い大通りを抜けて然程車通りのない一方通行の道路沿いを歩き、更に閑散とした歩行者専用の横道に入った建物の半地下に、その店は小さな黒い看板を出していた。
 魔法的な隠蔽工作を行っている気配は一切なく、本当に、ただ地味なだけの店である。人通りの多い道路に面した全面ガラス張りの店に連れて行かれる事を想定していたので拍子抜けしてしまったが、よく考えればレギュラス・ブラックがそんな事をするはずがない。服装と車とホテルは会談相手の都合を優先しただけで、それ以降は全て私の好みに合わせてくれたではないか。このような人間が、相手の心が休まらない店を選ぶ訳がないのだ。
 食べ易さは兎も角、それ以外は相手に合わせるのが面倒だからと好き勝手に料理を振る舞う私には到底不可能な心遣いに感心していると、ライトグレーの扉を開けたレギュラス・ブラックが店内へ入るよう柔らかな笑顔で促した。このようなエスコートばかりされていると甘え癖が付いてしまうと思ってもない不満を口にしてみたが、扉に手を掛けたままの少年はより深い笑みを浮かべるだけだった。
 尤も、この子がそのような表情を浮かべてしまう気持ちは判る。メルヴィッドやエイゼルにあれが食べたいこれが食べたいと自分好みの我侭を言われれば、私だって同じような反応をするだろう。
 エスコートされるがまま店の中に入ると、客同士の活気に満ちた会話とフラメンコギターが奏でる音楽が聴覚を、脂とニンニクの甘く香ばしい匂いが嗅覚を刺激した。照明は明るく調節され、内装はモダンで洒落ている。調理場で腕を振るう数名の料理人以外に店員もおらず、20人も入れば満席になる小さく狭いビストロの雰囲気は大変私好みだ。
 よく見ると客の幾人かは杖を持っているので、非魔法界の常識を弁えた魔法使いの溜り場なのだろう。肌の色や交されている言語も様々なので、外交関係でイギリスに出張中の南欧系エリート狙いの店なのかもしれない。
「あれ?」
「どうかしましたか、レジー」
「いや。ああ、矢っ張りそうだ」
 空いていたテーブルを確保しようとしていたレギュラス・ブラックが何かに気付いたのとほぼ同時に、店の一番奥でシェリーグラスを傾けていた白人男性がこちらに視線を向け笑顔で手招きした。日焼けした肌と顎に生えている髭の所為で老けて見えるが、顔立ちからして20代後半から30代前半のフランス人だろうか。流石ロンドンの中心部というべきだろうか、今日は様々な人種に出会う日らしい。
 全く予想していない人物と出会った事で躊躇しているレギュラス・ブラックに、無視をするのは失礼だし私は大丈夫だと告げて背中を押すと、折角2人きりで食事が出来る機会だったのにと可愛らしい不満を溢された。
「それはまた、今度にしましょう。レジーの空いている日を教えていただければ、何時でも会いに行きますよ。私は暇人ですから、何でしたらクリーチャーと一緒にディナーの準備をして、お仕事が終わったレジーを玄関でお迎えして差し上げましょうか?」
「……出来るだけ早く帰れる日を見付けておく、だから、絶対に来てね」
「ええ、勿論。レジーが望むなら何度でも」
 これは重症だ。笑い飛ばされると思い口にした冗談だったのだが、私が思ったよりもずっとブラック家の当主である事は辛い職務らしい。
 普段はそんな様子を微塵も見せないというか、見る機会すら最近は少なくなってしまったので知り様がなかった。今度ブラック家にお呼ばれしたら目一杯溜め込んでいるであろう愚痴を聞き、気が済むまで甘やかしてあげよう。
 手の空いた料理人に飲み物の注文だけ先に済ませ、細く狭い通路を先導するレギュラス・ブラックの背中を眺めながら新たな決意を胸に秘めると、唐突に、随分と逞しい腕がその背中を力強く覆った。此処はイギリスなのだが、母国の挨拶を頑なに実行する辺り、彼は間違いなくフランス人だろうと偏見めいた決め付けを行う。
「久し振りだな、レギュラス。ああ、くそ、懐かしいな。若返った気分になるよ」
「年寄りのような事を言うんだね、未だ30になったばかりじゃないか」
「イギリスでもフランスでも、18歳と31歳は親子の年齡差だろう?」
「あはは、それは確かに。君の若く美しいご母堂はお元気かい」
「君の叔父上よりは健全だと断言出来るな」
「違いないね」
 口調こそ少々砕けているが、フランス語ではない。ハグはするのに会話は英語にしてくれるのは、同行者である私を気遣ってだろう。
 訛りのない流暢な英語で立ち話も何だから座れよと気さくに誘い文句を口にした男性に対し、レギュラス・ブラックも軽く応じながら椅子を引き私を奥の席に座らせる。何処の誰なのか全く知らないが、少なくとも親の代からブラック家と古い知り合いらしいので良家出身の人間である事は間違いないだろう。
「アルマン、この子は、ブラック家の恩人だ。、彼はアルマン・メルフワ、名前で判るようにフランスの純血一族だよ」
 レギュラス・ブラックに紹介された男性のファミリーネームを脳内で文字変換して彼の言わんとしている事を掴み、同じ家名とはいえ顔の造形から体の作りまで共通点が全くないなと思いながら大きな手の平を握手した。
 分厚い皮に覆われた傷だらけの手は、書斎の中で仕事を片付ける貴族というよりは日々額に汗する労働者に近く、思わず何かスポーツを嗜んでいるのかと問い掛けてしまったが、そんな暇があればどれだけ良かったかと返されたので違うらしい。日に焼けた肌もバカンスではなく仕事が原因なのだろう。
 今年は災害が多過ぎて休む暇がないと愚痴を零し、シェリー酒の瓶に手を伸ばす友人に同情じみた視線を向けながらレギュラス・ブラックが飲み物とテーブルに項垂れている彼が注文したであろう料理を受け取り、空気を読みつつ3人でグラスを軽く鳴らす。
 この面子ならば私が真っ先に口を付けて安全を確認する所なのだが、今回の場合、毒味の必要はないだろう。元々ホテルのティールームに居た時点でこの店に来る事は決まっていたのだ、ならばブラック家側があらかじめ監視を置いて店の安全を確保していたに違いない。
 料理も同じように毒味は必要ないと皿に視線を落とすと、タパスの代表的なタコ料理、黒ソーセージとヒヨコ豆の冷菜、それにバケットに溢れんばかりの肉が盛られたサンドイッチと、全力でタンパク質を推奨するメニューが広がっていた。小皿で軽く摘むタパス本来のスタイルを否定する大皿料理だったが、とても美味しそうだ。
「モルノはシェア出来ないが、他は好きに食べていいぞ。私もお前達が注文した料理を勝手にいただくからな」
 香りから推察するに、ニンニクとオレガノ、パプリカで味付けした薄切り肉をつくね状に纏め上げた具材を挟んだバケットを頬張るアルマン・メルフワが勧めた2品を確認して、レギュラス・ブラックはトニックウォーターで輝くグラスを手にしながら食べる事は出来ないと拒絶した。無論、遠慮しての事ではない。
「君の気持ちだけいただくよ」
「料理に対して保守的なのは昔と変わらずだな。イギリス人にしては良い味覚をしているんだ、食わず嫌いを治せば楽しみも増えるのに」
やハウスエルフが作ってくれた料理で十分楽しいからいいんだよ」
「へえ、坊やの趣味が料理とは噂で聞いたが、事実なのか」
「海の外にまでそんな噂が広がるものなんですか。あ、タコ美味しいですね」
 タコの鮮度は流石に劣るが、オリーブオイルとパプリカパウダーは日本で食べるそれよりもかなり美味である。
 タコ飯、唐揚げ、煮付け、思わずこの辺りも無性に食べたくなったが多分イギリスに居る限り無理である。レギュラス・ブラックが忌避するように、イギリス人にはタコを食べる習慣がない。食欲旺盛且つ貪欲でイカならば食べられるメルヴィッドやエイゼルでもタコは食べられないし、仮に食べられたとしても食材そのものが一般客が利用する店に並ばないので作る事が出来ないのだ。
 次に口にした黒ソーセージもレバーに似て大変美味しい。見た目はブラック・プディングに似ているが、こちらにはオートミールの代わりに粗挽き肉がたっぷり詰まっている。というよりも、イギリスの場合は中身が全部穀類、半分も肉ならば幸運な方というジョークすら存在するのでソーセージの形をした別の食料品として名前を付けた方がいいと常々思う。
「イギリス人はレギュラスみたいに拒絶するものだが、坊やはタコが平気なのか。気に入った、遠慮せずに沢山食えよ」
「はい、いただきます」
「素直な良い返事だな。しかし、これだけ食欲に忠実だとホグワーツで生きていけないな、マグルの学校に行かせるのは正解だ」
「そこまで出回っているんだね」
「ブラック家に目を掛けられているのだから当然だろう。何だ、浮かない顔だな」
「……調べれば判るから言うけど、今日の午前0時に魔法使い保護法が施行されたんだよ。それで、は保護対象に認定された」
「まさか、本当なのか? あんな法案を通したら国連も周辺諸国も黙っては居ないぞ。特にうちはフラメル夫妻を取られているんだ、どう考えても二重基準だろう、国際社会を納得させないまま施行するなんて」
「納得させる必要なんてないと思ってるよ。強行したのはマグルの三枚舌外交に賛辞を贈る世代の老害だから、今回の件に関しては内政干渉という素晴らしい魔法の言葉を、躾のなっていない犬のように吠え続けるだろうね」
「ああ、稀代の天才、ダンブルドア様か。全く彼は素晴らしい男だよ、校長の勤めを立派に果たしつつ国連議長の座を皆から何度も推薦され承諾し、何が起こっても不動の構えを貫いてくれるお陰で下々はとても良い環境で働く事が出来ている。間違いなく、退任時に金のメダルを授与されるだろうな」
 侮蔑の念を一切隠さない声色でダンブルドアを表面上は褒め称えるアルマン・メルフワに対して軽く首を傾げると、ヒヨコ豆を摘んでいたレギュラス・ブラックが同情を多量に含んだ表情で、彼も国連に勤めている魔法使いなのだと小声で説明してくれた。それだけで、私にも哀れな存在に同情する表情が浮かぶ。
 元の世界で国際魔法使い連盟がダンブルドアをどのように扱ったのか思い出すだけで事足りる。あの組織にとって、ダンブルドアなど唯の傀儡なのだ。
 国際魔法使い連盟の議長というのは、非魔法界でいう国連の事務総長のような立ち位置にある。謂わば、国連の顔なのだ。
 その国連の顔が、どのような功績を上げたのか知る者はいない。この場合、私のように権力で揉み消された云々ではなく、本当に何も行っていないからどれだけ調べても知る事が出来ないという意味である。存在しない物は、知りようがない。
 ダンブルドアは私に仕掛けたような個人戦は勿論、少人数間の交渉や組織運営には長けており、リドルや闇の陣営に対しても大変な鬼門だが、国家という巨大な群れを相手にした外交に関しては正直な話、無能である。
 尤も、本人は死ぬまでその事に気付けず、蛙チョコレートのカードに顔が載っている限り何をされても気にしないと馬鹿みたいな事を言っていたらしいが。
 無能である証拠は簡単に挙げられる、今もあの男は議長の座にありながら国際社会に対して声明すら出していない。今年だけでも幾つもの環境破壊や大規模な戦争が起こり、トドメのようにあのソ連が崩壊しつつあるにも関わらず、である。普通はそんな男が再任される筈などないのだが、ダンブルドアは既に何期も勤めている。
 理由は簡単である。
 小さな学校の校長職に精を出し、国家間の問題を取り扱う議長として真っ当に働かない馬鹿を頭に据えれば、大国が好き勝手出来るからだ。無論、有事の際には結束し事態を打開出来る人材を頭に据えるが。元の世界で使えない駒として解任させられたダンブルドアが、死んでも議長と議員の席を取り戻せなかったのは有名な話だ。
 当時の国連の動きは、ぼんやりとだが覚えている。島国である事も幸いしてイギリスが混乱している内に各国で対策を練り、リドルが外へ戦争を仕掛けようと目論んだらヨーロッパとアメリカ双方から攻撃をする作戦を立てていた筈だ。
 元々諸外国に興味が薄かった、というよりはイギリス魔法界に強く執着していたリドルは連合王国とアイルランドを纏めて専制体制を創り上げるとひとまず満足して諸外国には手を出さなかったので、国連からは自国民への人権侵害について苦言を呈された程度だったと記憶している。この辺りの国連の動きは本当に曖昧なのだが、まあ、そんなものかと納得した記憶はあった。
 経済活動はやや衰えたが破綻した訳でもなく負担金もきちんと支払い、他所の国には基本的に手を出さず迷惑も掛けていないのであれば、口出しこそすれ敢えて手出しする必要もない。そういう事なのだろう。
 領地的には全く旨味のないイギリスの為に、何故自国の資源を犠牲にしなければならないのだと考える国も多かった筈だ。第一、ゲラート・グリンデルバルド台頭時にダンブルドアが居るから自国は安全だと国連からダンブルドアの派遣を促されても無視して平和に胡座をかいたイギリス人を一体誰が助けたいと思うのだろうか。それ以外にもイギリスは外交関係で色々やらかしが多いので、周辺国の反応は寧ろ納得出来る。
 結果的にリドルは短期間で倒されたが、その時も国連は歯の浮くような世辞だけを述べるに留まった。何もしないという選択は利益にも損失にも繋がらない場合が多いが、時と場合によっては有効という例である。
 アルマン・メルフワはダンブルドアの政経手腕を正しく把握しているので、その有効な選択を取れる人間なのだろう。当然、その手の人間が善良である筈がない。
「ダンブルドアって、国家間の問題は処理出来ない方なんですね」
「そうさ、本人は万能気取りだが、実際は桁外れに魔法が強いだけの老人だ。国連の幹部連中や大国に使われている自覚もない傀儡だよ」
 ああ矢張り、アルマン・メルフワのように判る魔法使いには判るのだ。
 非魔法界の国連も大分アレだが、魔法界はその比ではない。はっきり言って弱小国に権利など存在しない。魔法界でフランダースやトランシルバニアが独立国として認められているが、実際はそれらを支配するベルギーやルーマニアに票を与えているに過ぎない。
 非魔法界では国家として認められていない国がきちんと認められ独立している、だから魔法界は素晴らしいと頭の足りない言葉を耳にする事もあるが、単なる傀儡国家に過ぎないから強国が独立を承認しているだけである。自立した国家運営を行う民族が居る土地は、絶対に独立を認められない。
 もしも認められているのならば、イギリスは魔法界で連合王国として存在出来ず、イングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズに分離する筈だろう。しかし現実はクィディッチの参加資格がサッカーやラグビーのように国別で認められている以外は連合王国のままなので、そういう事だ。
 同様に、ソ連は現在崩壊中で、フランスとスペインはバスクを独立国家と認めず、イタリアは都市単位まで細切れになっていない。イギリスが諸悪の根源であるパレスチナ問題も当然のように存在しているが、この件だけは正直微妙である。
 大戦当時イギリスの魔法大臣だったアーチャー・エバモンドは法によって魔法使いが関わる事を禁止したので、非魔法界の協定や宣言は無効であるとイギリス魔法省は一貫して態度を崩していないし、言い分も判る。しかし、アーチャー・エバモンドや、彼の背後に居たであろうシリウス・ブラックが何故そのような法を作ったのか欠片も疑問に思わず理解も出来ない無能共が下らない正義に酔って戦争に参加した為、実際は戦争に加担しているじゃないかと突っ込まれる事も多々あるようだ。取り敢えず、今は亡きこの2人はあの世で出会った無能を全員、地獄の最下層に叩き落としても誰も文句を言わないと思う。
「眉間に皺を寄せて真面目な顔してるね、はい、口開けて」
「あ」
 国家間の交渉という私には到底縁のない思考に随分と嵌っていたようだ。追加で注文した料理が目の前に置かれているのにも気付かないでいた私の口にレギュラス・ブラックが何かを放り込んだ。
「……なんですかこれ、物凄く美味しい」
「お店の人はトルティーリャ・デ・パタタスって言ってたよ。もう1つ食べる?」
「食べます!」
 そう言ってレギュラス・ブラックが差し出したのは薄くスライスしたジャガイモと卵で出来たミルフィーユで、更に度肝を抜かれる。このお洒落な食べ物は一体何だろうか、少なくとも私の知っているスパニッシュオムレツではない。
 レギュラス・ブラックが店にまで連れて来た理由をようやく理解した。タコも黒ソーセージも美味しかったが、このスパニッシュオムレツには敵わない。
「確かに美味い。いやそれよりもだ、美味いものを食べさせると随分表情が豊かになるな」
「可愛いよね、小動物みたいで」
「小動物ってお前、まあ、小型犬みたいだが」
 エイゼルにも言われたが、私はそんなにポメラニアンに似ているのだろうか。大人に比べれば全てが小さいが、身長は同世代の子供に比べて高い方であるし、顔はサングラスの所為もあり厳つい。性格も、放置されても平気で勝手に一人遊びを始める事以外、特に似ているとは思わないのだが。
 腑に落ちない顔をしながらも咀嚼を続け、他の料理にも手を伸ばす私が面白いのか、アルマン・メルフワはグラス片手に吹き出していた。
「いや、すまん。ちゃんと子供らしい反応も出来るから、微笑ましかっただけだ」
 ブニュエロ・デ・バカラオを食べるかと問われたので頷くと、レギュラス・ブラックの時と同様、鳥の雛に給餌するよう食べさせられた。揚げ物なのでかなり熱いが、タパスでは定番のこれも美味しい。
「悪くないが、仕事で世界中を飛び回るから飼えないんだよなあ」
「は?」
「違う、ちょっと待てレギュラス。坊やじゃない、小型犬だ、小型犬を飼えないと省略して言ったんだ。だからテーブルの下の杖をしまえ、その目は止めろ、無言で殺気塗れの攻撃呪文を溜めるな」
 私が忘却術を許せないように、レギュラス・ブラックは自分から私を離そうとする輩を一切許せないらしい。判っていた事なのだが、本当に過激である。
 取り敢えず、お揃いだとか物凄く適当な口実を述べてブニュエロ・デ・バカラオを食べさせて機嫌を取っておこう。レギュラス・ブラックが手を下す以上アルマン・メルフワの命はどうでも良いが、この店をメルヴィッドやエイゼルに報告する前に潰されては困るのだ。