曖昧トルマリン

graytourmaline

片足

、何か用かい? 珍しいね、がぼくに相談なんて」
「ああ、ちょっと……な」
 シリウス・ブラックとリーマス・J・ルーピンは、少々赤い顔で友人を呼びに行ったを発見した。 「あれは、いったい何事だろうか? パッドフット」
「さあな……くそ、魔法で鍵がかかってる」
『――…』
「シッ! 静かに!」
 リーマスはシリウスの頭を押してドアに耳につけた。
? でも本当にぼくでいいの? リーマスじゃなくて』
『いや、ポッターの方が都合がいいんだ』
((何の都合だ?!))
『やってくれるよな?』
『OK、なんと言ってもが大胆にもぼくを指名してくれたんだからねv』
「(大胆?!)」
「(指名!?)」
 ドサッ! と何かがベッドに押し倒される音がした。
『でも君は大丈夫? そんなに真っ赤になって』
『おれの事は構うな、やってくれ』
「(どうやらは照れてるみたいだね)」
「(ああ、でもジェームズの野郎。一体に何してるんだ?)」
『これ、邪魔だね』
『待て! そこは、自分でする』
「(自分でする?!)」
「(一体あの二人は何をする気なんだ?!)」
『でも本当に、のコレ、いつ見ても可愛らしいね』
『見ていないで、早くしてくれ』
「「……」」
「なあ、リーマス……」
「黙りなよ、シリウス」
、最初は不器用かもしれないけど、我慢してね。ぼくもあんまり慣れていないんだ』
『大丈夫だ、いざとなったら自分でどうにかする』
『じゃあ、心の準備はいい?』
『おいっ! 最初からそんな、不器用とかそういう問題ではないっ!』
『大丈夫だよ、壊れないように優しくするから、ね?』
『でも裂ける!』
「「……」」
『そんなに強く肩持たれたらできないよ?』
『……』
『無理だと思ったらすぐ止めるから、ね?』
『ああ……』
「ジェームズ……あの野郎、リリーという彼女がいるくせにに手をだすなんて……」
「シリウス、行くよ」
「へ? どこに?」
「部屋の中」
「でも魔法で鍵が……」
「だからセブルスんトコ」
「???」
暗転
「……」
 ここはスリザリン寮。
 セブルス・スネイプ、ただいま読書中。
「セブルス・スネイプ。ちょっと面貸して」
「!? ルーピン! ブラック! 貴様等一体何しに……」
「うるさい。の一大事に呼んでもらえただけありがたいと思いなよこの根暗」
「リーマス、お前、なんだかキャラ違くないか……?」
「駄犬は黙ってて」
「犬……」
「扉爆破してでも侵入するから爆薬出して」
「だから一体なんなんだ?! というかここはスリザリン寮だ! 貴様等どうやって入ってきた!」
「そんな事の貞操の一大事に比べたら些細な問題だから」
「何だとっ?! が!?」
「君はがあの変態眼鏡の彼女持ちに寝取られていいわけ?」
「……行くぞ、ルーピン」
「あ! おい! ちょっと待てよ!」
暗転
 そしてまたグリフィンドール寮。
「よし、少し下がっていろ……」
「ちょっと待てよ!」
「なんだ?!」
「それ、扉の向こうのが無事でいれる確率は?」
「「……」」
「も、もう少し様子を見るか……?」
「「……そうしよう」」
『ああっ!』
「「「!!?」」」
が悪いんだよ? ぼくを誘ったくせに、いつまでも止めろって焦らすから』
『そんな太いの……普通無理だろ』
『大丈夫だって、進めるよ?』
『おい、もう少し丁寧に扱え!』
『こういうのは見た目より頑丈だから平気だって』
『でも、裂けそうだ』
『ちゃんと気をつけるよ。ちょっとは信用して?』
『わ、かった……』
『ありがとう。この辺でいい?』
『あ、ポッター……』
『違う? もうちょっとこっち?』
『……そっちの方がいい?』
『うん。じゃあ、そうしようか』
「ジェームズ、ブッ殺す……!」
「っていうかもう死んだ方がマシって目に遭わせてあげるよ」
「あの世で嘆くんだな、ポッター」
『ほら、、きちんと繋がった』
『でも、まだだ』
『わかってるよ、次はこれでしょ』
『ああ、そうだ』
『これ、綺麗な色してるよね』
『そうか? よく判らない』
『舐めたら美味しそう』
『馬鹿な事言うな!』
『本当だよ。そんなに怒らなくても』
『もういいからさっさと入れろ!』
『んー、じゃあまず……これくらいだね?』
『あ。駄目だ、ポッター。最初はもっと奥まで入れて……』
『こう?』
『そうだ、もっと』
「……」
「あの鹿……鍋にしてやる」
「ポッター……」
『もういいかな。ね、。こんな感じでいい?』
『そう、だな……少し、動かしてくれないか?』
『こんな感じ?』
『ああ、流石普段から器用なだけはあるな』
にそう言われると嬉しいな』
『おい! 調子に乗るな! あまり動かすなっ……壊れる!』
『壊さないよ、何だったらもっと激しくしてあげようか?』
『そんな! 止めろ……!』
「「「そこの角っ!にナニしてやがる?!」」」
 扉、爆破。
 煙を巻き上げながら踏み込んだその部屋には、ベッドに座る二つの影。
 共に服を着たまま、なにごともない制服姿のジェームズとの姿。
「……え? え?!」
「これ、どういうこと?」
「ぼくが訊きたい!」
 混乱する三人に、してやったりと笑うジェームズ。お前等さっきから扉の向こうで何してたんだという
「君達、一体なんの用かな?」
「ポッターと同じ意見で不本意だが、貴様等本当に一体何の用だ? それにスネイプは寮が違うだろう」
「そんなっ、ジェームズ! 君達は何していたんだ?!」

 あせる三人組、次々質問責め。

「ぼくかい? が右手怪我しちゃってね」
「……もげたヌイグルミの足を直して貰っていた」

「じゃあ『都合がいい』っていうのは?!」
「ぼくならがヌイグルミを持っている事を漏らさないと思ったから、だって」

「『自分でする』っていうのは何だったの?!」
「変なところで糸が飛び出たから、自分で切っただけだ」

「『裂ける』とか叫んでただろ!?」
「うん、布がね」

「『太い』ってのは!?」
「針が。あんな太いので縫う奴なんて初めて見て不安だったんだ」

「『色が綺麗』とか『舐めたら』とか言ってたのは!?」
「綿だよ綿、綿菓子みたいでさ。丁度お腹空いたし」

「では『奥まで入れる』というのは、まさか」
「綿を奥まで入れるということだが?」

「「「『動かす』とか『激しく』っていうのは??!」」」
「「きちんと繋がったか確かめる為」」

 二人の言葉に愕然とする三人。
「「「(マジか?!)」」」
「ぬいぐるみの足がもげた! って大変だったんだから」
「う、うるさいっ!」
 ジェームズの言葉には直して貰ったぬいぐるみを腕に、ムスッとする。
「で? きみたちは一体ナニを想像していたのかな」
「「「(この野郎嵌めやがった……!)」」」
「答えないとお仕置するよ? っていうか、答えても一緒だけどね!」
 その後、しばらくはこの三人、ジェームズとに近寄ることはなくなった。
 一体ジェームズがこの三人になにをしでかしたかはも知らない。